SELFIE S5 の部屋

パイオニアのミニミニコンポ・SELFIE S5 についていろいろ書いてます

2台目を買ってしまった…

新たなS5を入手!

SELFIE S5をオークションで手に入れて数ヶ月。ついに、2台目となるS5(本体のみ)を買ってしまいました! 実際に購入したのはしばらく前なのですが、記事にするのが遅くなりました。新たに買った理由は…。いろいろとあるのですが、ひとことで言うとS5への愛がさらに深まったから(?)。

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2台目を購入して気づいたこ

本当に勉強になります。いや、別に勉強するために買ったわけではないんですけどね。とにかく、2台並べてみて、同じ機種でも、個体によって違いがあることが多々。S5はこうだと決めていたものが、実はそうとも限らなかったり、あるいは、両者の異なる点から新たな疑問が浮かんだり。ひとまず気づいたことは、以下のような感じです。

 

1)色が違う

これは地味に衝撃的でした。この写真でもわかりますが、左側が1台目、右側が今回新たに買った2台目です。2台目の方が、少し黒みが少ない…。早くいえば、銀色っぽいです。ただし写真は光の当たり具合というか、カメラの写り具合で、右側の方がかなり銀色に近く見えますが、実際はもう少し黒みがあります。

 

色が違うのは本体だけではなく、各機材のメーカーロゴ(PIONEER)も、くすんだ銀色気味。同じくアンプ右上の「private SELFIE」も、色落ちしたような灰色の感じ。さらに付属のリモコンも「S5」の文字が、ほぼ同じ色合いです。また、【CD DIRECT】のランプも色が違い、無点灯でも少し緑がかった色が付いています(写真右側の消灯しているランプと同じ)。

 

さてこれをどう考えるか。一つは、作られた時期や、場所(例えばOEM品だったとして、供給元のメーカー)が違うからか。最初は、かなりそこを疑ったのですが、一つ大きな問題が。それは何かというと、背面を見ると、なんと製造記号が機材で異なっているのです! 具体的には、アンプがKC-で始まるのに対し、それ以外の機材は全てKB-で始まります。これまで約数ヶ月間、毎日オークションサイトをチェックしてきた私でも、機材によって製造記号(最初のアルファベット2文字)が異なるものはありませんでした(ちなみにこのS5も、オークション出品時は、アンプの製造記号を示した写真が無く、現物が届いて初めて気づきました)。さあ、そうなると…。

 

今のところ、私の中での有力な仮説は、本体とリモコンが、同じ場所で長期間にわたって陽の当たるところに置かれていた、というものです。その説を補強するものとして、他のオークション写真で、この機材と同じような色味のものが、今まで無かった、ということを挙げたいと思います。ただ…まあ、あくまでも仮説です。確かめようは今のところありません。

 

2)音が違う

考えようによっては当たり前、しかし実際に耳にすると驚くのが、音の違いです。最初の印象は、明らかに1台目の方が、音がいい。電源オン後、10分以上にわたって壮大なハム音を出す個体ですが、それでも低音の響きや音の豊かさは、明らかに2台目よりも上。と思っていたのですが、しかし…。

 

しばらく経つと、その違いはわからなくなってしまいました。少なくとも、1台目の方が明らかに音が良い、とは感じていません。というのも、わりと早く気づいたのが、音の「大きさ」の違い。同じボリュームのポジションでも、1台目の方が音が大きく、2台目の方が小さい。ちなみに、リモコンで操作した場合(この手の機材は、1台のリモコンで同時に操作できます。というか、操作されてしまいます)、明らかにボリュームの動きに差が生じます。こうした違いは、そもそも製造時から違うのか、あるいは経年による変化なのか…。

 

結局のところ、音の違いはあるのか無いのか。それを確かめようと、スピーカーセレクターを買ってしまいました。商品名は「2in ⇔ 4out スピーカーセレクター / スイッチャー ※プッシュ式ターミナルタイプ」(amazonでの表記)。安かったでが、目的通りに使えました。本来は複数のスピーカーを選択するのが主たる役割なのでしょうが、私の場合は、アンプのセレクター(スピーカーは1台目のS5のものを共用)として、両者を比較する目的で購入しました。写真の上に乗っているのがそれです。おかげで、いちいちスピーカーケーブルを付け替えることなく、2つの機材を比べられるようになりました。

 

そうして使ってみた結論としては…やはり「違いがよくわからない」。なんだそれは、という感じですが、自分にとって有益だったのは、「必ずしも1台目の方が良いとは限らない」といことが確かめられたことです。結論としては、2台目も、1台目よりも少しだけ大きめにボリューム操作すれば、同じように良い音が得られる…ということに、私の中では落ち着きました。

 

 

 

 

オークションのヒント~その2

この5ヵ月、オークションサイトをみる毎日

SELFIE S5を手に入れようと思い始め、はや5ヵ月。その間、複数のオークションを通じて、S5本体をはじめ、いろいろと手に入れることもできました。そして今日まで、文字通り毎日オークションサイト(私の場合はヤフオク。以下同じです)をチェックし続けてきました。本体を入手してのころに、一度、オークションで探す際のポイントを記事にしましたが、あれから新たにわかったことや、気づいたことを踏まえ、「オークションのヒント」として記事にしたいと思います。前回を1回目とし、これが「その2」となります。

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検索ワードは "PIONEER P700"

SELFIE S5をオークションで探す際のポイント。まずは検索。しかし「セルフィー」でも「SELFIE」でも、なかなかその名前通りに調べても本体はヒットしません。理由は簡単です。出品者が、それを「イオニア セルフィー S5」ということに気づいていないからです。それも当然、機材本体には「S5」とは一文字も書かれていません。

 

そのかわり、出品者が多用するのは、機材の型番。アンプならA-P700、スピーカーならS-P700VS5は、各機材共通でハイフン以降が「P700」になっています(ちなみにS70P710)。だから、オークションサイト内の検索ワードとして、「PIONEER P700」を使用してみて下さい。経験的にも、これが一番、S5の本体セットを見つけやすいです。ただ、P700では、パイオニアのカーオーディオ関連のものも多くヒットしてしまいます。それが煩わしい場合は、P700を「A-P700」にすると、わりとシンプルに本体セットがヒットします。

 

どのモデルがオークションに出品されるか

 そもそも約30年前のミニミニコンポ。いったいどれだけ、現在の中古市場で流通しているのだろう…。年々、数が少なくなるのは当然です。そう思うと、いつが買い時か見極めるのが難しくなります。現在のオークション品に手を出すべきか、それとも待つべきか…。よく言われますが、私も個人的というか、経験的にはやはり「欲しい時が買い時」かなと思います。が、それはともかくとして、この5ヶ月間(2018年1月~5月)、文字通り毎日オークションサイトを見つづけた者として、おおよその出品状況を伝えたいと思います。せっかくなので、S5の他のモデルについても述べてみたいです。

 

S5:わりとコンスタントに出品あり

スピーカー(ベース=台座を含む)と本体のセットは、おおむね1ヵ月のうちに2~3台は出品されています。「全く出品されていない」というのは、最長でも3週間ぐらいではなかったでしょうか。ただし、完動品は極めて少ない。カセットデッキの動作まで完璧なのは一つも無かったと記憶しています。まあ、これはさすがに当たり前です。それを除くと、やはり焦点になるのはCDプレーヤー。ごくまれですが、CDプレーヤーが生きているものがあります。正確に記録しているわけではありませんが、2ヵ月に1つくらいは出品されている印象。S5を狙っている人は、その違い(CDが動くかどうか)の重要さをわかっている人が多いようで、CDが動作するものは、グンと値が上がる印象です。

 

「セットではあるものの、一部が欠けている」という出品は、上記より同数、あるいはもう少し多いような気がします。例えば、スピーカーが無く、コンポ本体のみ。あるいは、本体とスピーカーはあるが、スピーカーベース(台座)だけが無い、など。これに手を出すかどうか、迷う方もいるでしょう。経験的には、それも「場合によってはアリ」かなと思っています。これについては、別に記事を立てようと思っていますが、要点としては「それなりにお金を掛けてもよいならば」といえるでしょう。

 

S70・S50:先代モデル(S5)より少ない印象

S5の後継機種のS70S50(この2つの違い区別の仕方は過去記事参照)についても、ほぼ毎日チェックを怠らずにいます。その感想としては、両者をあわせても、S5ほどは多くない。それでも月に1~2台は確実に出品があるように思います。動作や製品の状態については、おおむねS5と同じ感じです。

 

S90・S30:ほぼ出品なし

Sの二桁シリーズの残り、S90S30は上記の機種に比べて、かなり少ないです。約5ヵ月の間で、S90は2・3例、S30は1例くらいしか記憶にありません。S90は二桁シリーズ最高機種ですが、やはり販売台数が他に比べてかなり少なかったのでしょう。一方、S30は登場したとたんにバカ売れしたモデルで、数はSELFIEのSシリーズでは間違いなく最多のはずです。ただ、もともとが廉価モデルで、中古品としての魅力に乏しく、早々と姿を消したものが、ほとんどということでしょうか。

 

S3:皆無

最後に、S5と同時発売のS3。アンプ・CD・チューナー等の一体型モデルです。これについては、上記の機種ほど、意識しては探しておらず、もしかしたら見落としがあるかもしれませんが、「皆無」といって差し支えないと思います。とすると、S3を探している方。オークション品を見かけたら、状態の如何を問わず「即、買い」です。

 

 

 

 

 

 

SELFIE S5の広告を見つけた!(その4)

今回も、ほぼS3の話が中心です

1990年、発売当時のSELFIE S5の広告。4回目の今日で終わります(過去記事は)。右側ページの中ほどにある商品写真について説明します。

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 まず、上にS5の写真。下にS3S5の写真は、当時のほぼ全ての広告や雑誌記事で見られるスタイルです。左側スピーカーがタテ置きで、スピーカーネットを外した状態。スピーカーの下には台座。本体はヨコ基調の2分割で、左側が上からCD、カセットの順。右側がアンプ、イコライザー、チューナーの順。その隣にヨコ置きでスピーカー。スピーカーネット、台座ともにあり。右端にリモコン。ちなみに、この「スピーカーを左右でタテ・ヨコ別の置き方をする」「本体をヨコ基調で並べ、ヨコ置きスピーカーと高さが合うことを示す」というスタイルは、当時の他社のミニミニコンポの広告でも数多く見られ、「定番」といってもいいほどの置き方です。

 

写真の上にいくつかの文字情報。以下に引用します。引用の仕方は過去記事と同じ。

 

S5 X-S5:標準価格128,000円(税別/アンプ、サウンドイメージコントローラー、チューナー、CDプレーヤー、デッキ、スピーカーシステムの一体価格/リモコン、スピーカーベース付属)

 

引用は以上。はなはだ不格好ですが、なるべく広告の雰囲気を再現したくて。色なんぞもつけてみました。ここで明らかになったこと。それはスピーカーの台座の名前。「スピーカーベース」っていうんだ! たしかに「スタンド」では高さ的に違和感がある。ベース。なるほどです。まさに台座そのものです。過去の自分の記事を見ると…スタンドと表記していますね。間違いでした。が、それも(ブログ作者の)成長の軌跡として、そのままにしておきましょう。

 

S3の姿を伝えたい

さて、お次はS3。まずは写真の説明。スピーカーは左右ともヨコ置きで、スピーカーベース(結構な高さがあるようですが、これもはっきりベースと表記されています)の上に置かれています。右端にリモコン。

 

この写真についてはもう少しコメントを。S5との違いがここでも確認できます。まずは何といっても色。S5が黒であるのに対して、S3がグレー基調であることがはっきりとわかります。もう一つの違いは、表面の質感。S3は、触った感じが少しざらっとするようなスウェード調(?)であろうことが、写真からも十分に類推されます(前回紹介した『特選街』1990年5月号p.100のレポート記事にも「グレーのスエード調仕上げ」と明記)。

 

次に、写真の上の文字情報。引用します。

 

S3 X-S3:標準価格89,800円(税別/CDデッキレシーバー、スピーカーシステムの一体価格/リモコン付属)

*スピーカーベースCP-P500(オプション)標準価格4,500円(税別2台1組)

 

引用終わり。S5と異なり、システム一体型が特徴であるS3の本体は、「CDデッキレシーバー」というのですね。CDとカセットとチューナー、ということでしょう。そして、この情報から判明すること。1つは、スピーカーベースがオプションということ。さて、いったい当時、どれだけの人がこれをオプション購入したか…気になりますね。2台1組とはいえ、4,500円は本体価格の約5%。う~ん、これを高いとみるか安いとみるか。あるいは、こういうものは本当はもっと安かったり、もしかしたらタダでつけてもらえたりしたのでしょうか? いろいろと想像してしまいます。

 

もう一つ判明したのは、このスピーカーベースの型番。CP-P500。CPはパイオニアのスピーカースタンドに与えられる符号ですね。今、ざっと検索しましたが、それでヒットするものは確認できませんでした。現在では、まず単体では流通していないのでしょう。果たしてここに記した情報が、誰かの役に立つのか…。

 

ということで、書ける範囲でS3の情報も載せてみました。小見出しが「姿を伝えたい」なんていいながら、はっきりとわかる写真1枚もなくてすみません。今思えば、非常に地味なS3。他の記事でも書きましたが、その地味なS3の後継機であるS30が、約1年後にミニミニコンポ市場を席巻するのだから、世の中わからないものです。そのS30が市場に与えたインパクトについても、当時の様子がよくわかる文字資料を手に入れたので、機会があればまたお伝えしたいところです。

 

SELFIE S5の広告を見つけた!(その3)

おもに「S3」のお話です

前回前々回と、2回お送りしたSELFIE S5の広告の話題、3回目です。右側ページ中程の文章部分。前回紹介したS5の記述に続いて、同時発売モデルのS3について記述されています。まずは引用します。引用の仕方は前回と同じです。

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【S3】本体幅300×高さ255×奥行246mm。ベッドで音楽が楽しめるピロー&サラウンド回路。気分に合わせて音の表情を変えるサウンドキャラクター。P.BASS搭載。40W+40Wのハイパワー。ワンタッチでいつもの聴き方を再現するAIオペレーションキー。セットが簡単なAIアメニティタイマー。多彩なCD編集機能A.S.E.S.装備。(リモコン付属)

 

引用終わり。最後の「(リモコン付属)」は割注(小さく2行で表示)になっています。さて、ここからまたいくらかコメントを付けさせていただきましょう。あ、その前に、手前味噌で恐縮ですが、おそらくこの記事は、現時点でおそらくネット上で最も詳しい(そして唯一?)「SELFIE S3」に関する記述だと思います。

 

広告からS5とS3の関係がよく見える

まずはっきりと見て取れるのは、広告上のS5S3の扱いの違い。S5が主でS3が従の関係です。今さら指摘するほどではないと思われそうですが、この広告が出てから1年後、ミニミニコンポでは、このS3の後継であるS30が、他のSELFIEや他社製品を圧して売れまくっていたという点を考えると、いちおう確認する意味はあるかと。

 

もう一つわかるのは、性格の違いというか、製品としてのねらいの違い。S3は、S5のただの機能省略版ではない、ということがうかがえます。以前の記事S30について私がよくわからないと書いた「AIオペレーション」機能。S3からすでにあったんですね。しかも、S5にはない独自機能。ただ、広告からわかるのは、機能の有無だけ。一体どういうものなんでしょう…と、ここでも情報を出し惜しみするのは止めましょう。はい、この広告掲載誌とともに、他の雑誌記事情報についても入手済みなんです。

 

『特選街』(マキノ出版)1990年5月号「大人気[ニューコンポ] いま最もトレンディなこの1台を選ぶ」(p.100)から引用します。筆者は「堀内 篤」(ほりうち あつし)氏。

 

操作性においては、AI(人工知能)オペレーションが際立つ。電源ON、ファンクション設定、音質調整、音量調節などの操作を二とおり記憶でき、リモコンで素早く呼び出せる。

 

引用は以上です(原文は縦書き)。なるほどと思う一方、この説明だけではあまりAIという感じがしません…。リモコンまたは本体のメモリ機能? かと思ってしまいますが、おそらくは誌面では書ききれなかったAI的なものがあるのでしょう。ということで、結果的にやや謎が残ることにはなりました。

 

もっとセルフィーのことを知ってください。

広告に話を戻します。S3の記述に続いて、補足情報が掲載されています。面白いなと思ったのは、その見出し。「もっとセルフィーのことを知ってください」。う~ん、味があるなあ。住所情報なども含まれますが、できるだけ引用します(一部伏せ字)。それはそれで資料価値があるかと思うのと、おそらくそのことでパイオニアその他関係者様には迷惑をかけないだろうと思うからです。では引用します。

 

もっとセルフィーのことを知ってください。

●カタログの請求は、郵便番号、住所、氏名、希望製品名、年令、性別、職業、ステレオの有無をご記入の上、〒152東京都目黒郵便局私書箱××号 パイオニアカタログセンター:DIME SF3係へ。●パイオニアショールームは、東京・目黒権之助坂「JR目黒駅」下車すぐです。●ドルビーおよび[引用者注:ドルビーマークが表示]は、ドルビー研究所の登録商標です。●あなたが録音したものは個人として楽しむなどのほかは著作権法上権利者に無断で使用できません。 パイオニア株式会社

 

引用は以上です。実際は、見出しのすぐ右側に「●カタログの請求は…」が始まり、見出しの右側で2行分使用されています。

 

それで、なぜわざわざこの部分まで引用したかというと、ずばり、今は無き目黒の「パイオニアショールーム」。そう、もうありません。間違ってもこの記事を読んで目黒駅で下車されませぬように。パイオニアの本社移転に伴い、2009年12月18日に「パイオニアショールーム/目黒店」は閉店しました(パイオニアのホームページによる)。そういった歴史の変遷を感じられるものも、このブログに記したいな、と思っています。それでは今日はこの辺で。

 

 

 

 

 

 

 

 

SELFIE S5の広告を見つけた!(その2)

広告右側ページの続きです

遠方の図書館で見つけたSELFIE S5の広告(DIME 1990年4月5日号)。前回は見開きページの左側と、右側の一部を紹介しました。本日はその続きで、文章の部分です。 

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前回の記事で紹介した商品コンセプトに続いて、その下には本体の特徴の説明があります。以下に引用します。原典での太字部分は、同じように太字で表現しています。小さめの字も同様。ただし改行位置、割注(1行内に小さい文字で2行で書かれた注)、英数字や記号の半角/全角は無視しています。なお、原典のフォントはゴシック体(正確には不明)です。

 

【S5】(セルフィーは小さい)コンポ幅260mm。だから場所を取らない。場所を選ばない。(セルフィーはレイアウトフリー)オールセパレートタイプ。スピーカーはタテ置き、ヨコ置き自由の新開発スラントバッフル採用。だからセッティングが楽しい。(セルフィーは音がいい)好みの音質が選べるサウンドイメージコントローラー。迫力の重低音を実現する新回路P.BASS。50W+50Wのハイパワー。CDダイレクト回路。だからハイファイ。(セルフィーは簡単操作)2モードCD編集機能A.S.E.S.。アメニティタイマー装備。AM/FM/TV3バンドチューナー。Wリバースデッキ。プログラム選曲、ランダムプレイ機能搭載CDプレーヤー。(リモコン/スピーカーベース付属)

 

はい、ひとまず引用はここまで。このあと、改行し(ただし行間は空けず)、S3の紹介に移ります。ひと休みという感じでコメントを。

 

まず、何といっても文章がムダにかっこいい。と思っているのは、きっとSELFIE S5に思い入れがある私だけでしょう。文体と本体のデザインが見事に一致。私のオシゴトは広告業界と無縁なので、まあ素人の感想には違いないのですが、それでも、いやだからこそか、こういう広告を作る人はカッコいいなあと素直に思います。

 

次に文中のコトバについて。私が気になったのは「スラントバッフル」。恥ずかしながら、初めて目にしました。バッフルとは、スピーカーの振動部分を入れる箱、あるいはその表面部分、ということでよいでしょうか。そのバッフルが斜め(スラント)になっていると。S5のスピーカーは通常の置き方(タテ置きで、右側・左側をスピーカー本体の表記通りに置くこと)をすると、後退角がついている感じになります。おそらく、スラントバッフルとはこのことを指すと思われます。

 

…画像で示した方が簡単でしたね。すみません。

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しかし、どうでしょう? 単純にスピーカーをタテ置き、ヨコ置きの両方できるようにするために、わざわざバッフルを斜めにする必要があったのでしょうか? そうしなくてもできると思いませんか。あえて斜めにする理由とは。例えば、ほんとはただデザイン上の特徴付けのため、斜めにしただけ。でも、それだけの理由では寂しいので、何か意義づけをしてみた…ということも、考えられなくもありません。しかし、きっとそうではなく、やはり最初から理由というか狙いがあって、このようなスラントをつけたように私は思います。なぜそう考えたかというと…。

 

カギの一つは、本文にある「だからセッティングが楽しい」。いや、これではヒントになっていませんね。ハッキリ示しましょう。それは取扱説明書に書いてあるんです。

 

そう、ここで初めて明かすと、少し前にS5の取扱説明書を入手したのです! それもコピーやPDFデータ等ではなく、実物を!(念のために申し上げますが、合法的な手段で入手しています)

 

取扱説明書 1 準備・接続編「設置の仕方」には、

*左右のスピーカーを入れ替えて、ステレオワイドの音創りを楽しむことができます。

*スピーカーのバッフル板が傾斜(約9°)していますので、左右スピーカーを入れ替えて音の拡がりをコントロールできます。

*スピーカーを横置きにした場合も、バッフル板を上向き、下向き、トゥイーターを内側、外側と置き方を変えることで好みの音場を作ることができます。

とあります。で、設置例として、タテ・ヨコそれぞれ2パターンずつイラストが示され、例えば、縦位置で左右用を入れ替えると「音場がシャープなものとなります」。ヨコの例がこれまた面白いというか、なるほどというか、下部が手前に長くなるような置き方は「聴く位置より低いところに置くとき」。いわゆる逆スラント(上部がひさしのようにせり出している状態)は「聴く位置より高いところに置くとき」。な~る~ほ~ど~!

 

ちなみにこの取扱説明書の「準備・接続編」は、書かれている内容もさることながら、構成というかテイストがめちゃくちゃ面白く、上記のような、ある意味マジメな説明が、80年代に流行ったファンシーっぽさ全開の丸文字で書かれているのです。あの、やたらひらがなの丸い部分(「ま」や「す」の線で囲まれた部分)が、過度に大きくなっているやつです。つい気になって調べたら、どうやら写植文字の「エツール」が使われているようです(漢字は通常の丸ゴシック風)。ほんと、出版・印刷関係のこの手の話は奥が深くて、それだけで新しいブログ記事が作れそうなくらいです。

 

ということで、本日は事実上、S5のアピールポイント、「スラントバッフル」のお話でした!

SELFIE S5の広告を見つけた!(その1)

新ネタ、続々入手!

またもや、久しぶりのブログの更新ですが、実はこの間、多くのネタが入りました。大きく分けて機材本体に関するネタと、もう一つは文字ネタと呼んでいる、資料系のネタです。ともに早く紹介したい気分ですが、今の気持ちとしては、つい最近手に入れて感動が深い文字ネタから紹介させていただきます。

 

行ってきました、新たな図書館へ!

さて、以前の記事では、地元の図書館でS5の情報を探すにも限界があることを記しました。具体的にいえば、S5の情報が載っていそうな雑誌が、地元の図書館ではそもそもないということ。ならばと行ってきました。それらがありそうな図書館へ! 最寄り(といっても直線距離にして約110km、電車や車で約2時間)の政令指定都市まで遠征してきました。そこでついに見つけたのです! SELFIE S5の広告を!

 

まずはご覧いただきましょう!

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何だこの写真の小ささは! と思われるでしょうが、すみません。図書館内でカラーコピーしてきたものですが、これ以上詳しい写真だと、私的利用の範囲を明らかに越えてしまうことになると思うので、お許しを。

 

そのかわりというか、出典を明示します。

DIME』1990年4月5日号 p.40-41 です。もしお近くの図書館(といっても大都市に限られるでしょうが)にあったら、ぜひご覧下さい。どうやってこの広告に行き当たったかは別の記事に譲りますが、雑誌そのものは、図書館ごとの「蔵書検索」でわりと簡単に見つかります。ご参考までに。

 

内容の説明に頑張ります!

写真は大きく見せられないので、その分、中身が伝わるように頑張って書きます。まずは、広告の左側。斜めに文字(キャッチコピー…というのか)。

いい音は、

これから、

私と暮らします。

この言葉は、テレビCMの最後でも使われています。そのコピーの右側に、白い服を着た女性が手を後ろに組んで、正面から見て、やや右に体を傾けています。白い靴下をはき、つま先だけ上げている感じ。…いや、こんな描写が何の役に立つのか。

 

次に、右側ページの説明。

右上に「PIONEER」と企業ロゴ。

右端から縦書きでコピー。

セルフィー、パイオニアから

誕生。

 

ページ右よりで上段に文章、中段に商品写真(S5およびS3)、下段にブランドロゴ(private SELFIE)。

 

文章の部分では、最初に(広告全体の比較で)中くらいの文字で、以下の通り。

セルフィーは、コンパクトレイアウトフリー。

音楽ともっと自由に、自分らしくつきあうための

コンパクト・ミニコンポーネントです。

 

うむ。まさに「ミニミニコンポ」のコンセプトを見事に体現した文章です。今回の図書館探訪で、ミニミニコンポの評論記事も入手。そこで述べられているミニミニコンポの特徴と、見事に合致しています。

 

さて、その次の文章については…すみません、時間がなくなりました。次回へ。

 

 

 

 

SELFIE S30 取扱説明書の目次(だけ)

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本当に、目次だけですみませんが…。

久しぶりの更新、そして久しぶりの文字ものの記事です。SELFIE S30の取扱説明書の表紙画像をネットで見かけました。その中の目次部分を下に転記します。元画像はオークションの商品説明ですが、オークション画像といえど、写真それ自体には著作権がありますので転載は控えます(気になる方は、ネットの検索でお探し下さい)。ではさっそく。

 

目次

・お使いになる前に・……3

・日ごろのお手入れ・……4

・接続のしかた・……5

・各部のなまえを知っておこう・……6(または8。判読困難。以下同じ)

・電源スイッチを入れてみよう・……12

・時刻を合わせよう・……13

・FM、AM、TV放送を聞くには・……14

・FM、AM、TV放送のワンタッチ受信とは・……16

・CDを聞くには・……19

・CDの便利な機能とは・……21

・カセットテープを聞くには・……26(または28。情報量から考えると26か)

・カセットテープに録音するには・……29

・CDをテープに録音するには・……32

・表示をかえてみよう・……35

・好みの音作りをしてみよう・……37

・サラウンドシステム(ステレオワイド)について・………39

・AIオペレーション機能を使ってみよう・………40

・オーディション機能を楽しもう・……42

・AIアメニティタイマーを使ってみよう・……43

・故障?ちょっと調べてください・……50

・アフターサービス/安全にお使いいただくために・……53

・仕様・……54

(引用者注)数字(ページ数)は、実際は右詰めで表記されている。

 

さて、こんなものに何の意味が、と思う方もいらっしゃるかもしれません。理由は2つあります。一つは、私自身がS5の情報をネットで求めつつも、ほとんど入手できず、「少しでも何か情報が欲しい」という経験をしたから。もう一つは、目次の情報だけでも、取扱説明書を入手しようかどうか迷っている人の役に立つかなと思ったからです。

 

ここからは感想です

せっかくですので、付け加えの情報と所感を少々。まず、S30の登場は1991年1月(パイオニアのホームページから)。「SELFIE Sの2桁シリーズ」でいうと、S70(1990年9月)、S50S90(同10月)に続く4つ目の製品。これもネットで調べた限りですが、91年の上半期は、登場間もないこのS30がかなり売れ、ある販売店の集計では、他社のミニミニコンも抑えて1位だったこともあるようです。その理由は定かではありませんが、やはり価格(の安さ)でしょうか。

 

さて、この目次を転記してみて、気づいたことを2つ。一つは、「文体」といっていいのでしょうか、項目の見出しに特徴が感じられます。非常にフレンドリーというか、明らかに若者向けの書き方のような気がします。「してみよう」「使ってみよう」「楽しもう」。普通なら(あるいは現在の感覚なら)、これらは「しましょう」「使いましょう」ではないでしょうか。「楽しもう」に至っては、そもそもメーカーが消費者に向かってそういう呼びかけ方をするものかと。

 

もう一つは、「AI」。現在(2018年)は「第3次AI(人工知能)ブーム」だそうですが、この時期にAI…当時は私も学生でしたが、あまり記憶が無いというか、なじみが無かったような気が。ウィキペディア(「人工知能の歴史」)でも、この時期は「AIの冬第2期 1987−1993」と書かれています。しかし、実際にここではAIという言葉は使われていますし、別に調べると、1980年代後半のパイオニアのDATには「AIサーチ」という機能が搭載されています。そうしてみると、私が記憶しているよりもAI技術は積極的にオーディオに導入されていた、ということでしょうか。

 

それで、このS30での「AIオペレーション機能」「AIアメニティタイマー」ですが、どんなものかはネットの検索ではさっぱりわからず。となると実物(機材や取扱説明書)に接するしかないようですね。S30の正面画像からは、アンプ部(S30は一体型のなので、正しくはそこに相当する部分 )に「AIオペレーション」のボタンが確認できましたが、それ以上は判明せず。もう一つのアメニティタイマーとあわせ、気になるところです。

 

※追加情報。S30の機材型番は以下の通りです。

本体:STEREO CD CASSETTE DECK RECIEVER XR-P310

スピーカー:S-P310V