CDプレーヤー(PD-P700)が動いた!
とにかく、動かすことには成功しました
観賞用で買った私のSELFIE S5。ジャンク品と最初からわかって買ったものの、せっかくなら動かないかな、動いてほしいな、とはどうしても思ってしまうもの。それで最初のうちは、うまく動作しないアンプやCDプレーヤーの中を開けてみたりしたものの、やはり素人には全く手が出せず。…と思っていたところ、CDプレーヤーが、ひょんなことから動くことになりました! 「動く」というのは、CDを読み込み、いちおう曲を再生し、音が出たということです。ほんとは「直った」「聴けるようになった」と書きたいところなのですが、そこは素人のやること、音飛びがあったり、異音がしたり。ということで、誇張にならない程度にということで、「動く」と表現することにします。
きっかけはカラカラという音
さて、私のCDプレーヤー(PD-P700)は、入手した時点でどうだったかというと、
1)電源は入る 2)トレイは開閉する 3)ディスプレイは表示される というものでした。これらはもともと正常というか、いちおう動いていました。
一方、問題点として、
1)CDを読み込まない 従って、2)CDを再生しない でした。
この不具合をもう少しいうと、トレイを閉じた後、CDが全く回っていませんでした(外板をはずして確認)。そのかわり、「クッ、クッ」と、きまって2回、小さな音がしていました。しかし、わかったのはそこまで。対処の方法がわからず、修理できないものと諦めていました。
さて、そうして数ヶ月たったあと。新たにPD-P700を購入。もちろんジャンク品です。しかし、期待を込めて買ったものの動かず。が、ここであることに気づいたのです。ある音に。本体を手に持って動かすとカラカラ音が。ふと気になって中身を確認すると、その部品の正体が判明。なんとそれは…ピックアップレンズだったのです! そして、それを本来の場所に固定(これが大事。置く、のではなく固定)すると、何ということでしょう、CDを読み込み、動き出したのです!
CDを入れると、クッ、クッとかすかに音がするけれど、正しく読み込まない…。私と同じような症状の人はいませんか? その場合は、ピックアップレンズの不調が原因と思われます。そして、おそらく以下に示す方法で改善する可能性が高いです。以下に手順を示します。
※故障の原因は様々で、改善を保障するものではありません。修繕に伴う破損や不具合には責任を持てません。あくまで自己責任でお願いします。
大前提-ピックアップ部の動作と「レンズ」の有無
これから手順を示しますが、大前提は、電源、トレイ、表示に問題ないこと。そして、上では「クッ、クッ」という音で表現しましたが、ピックアップ部自体が動作すること。よりたしかな確認方法は、外板(黒い鉄製カバー)を外し、CDトレイに何も入れない状態で、一度、ボタン操作で開閉してみて下さい。その時、スタビライザー(CDを上から押さえつける黒い円盤)ごしに、赤い光が、わずかにでも動いて見えれば、それはピックアップ部が動いていることを示します。
そして、もう一つ、肝心なものがあるかどうか。すなわち、ピックアップレンズそのものです。これは、トレイを開けた状態で、横からのぞいたら確認できると思います。写真を参考にして下さい。
そこにレンズが無ければ…。もちろん、対処不能。私が複数所有するPD-P700のうち、1台は最初からありませんでした(!)。しかし希望はあります。つまり、レンズを入手すること。おそらく現在では、同じジャンク品から手に入れるしかないでしょう(ただし私の経験では、そのようなものでも「動く」ようにはなります)。
で、ピックアップ部が動き、レンズもある、しかし読み込まないというのは、おそらくそのレンズが外れているものと思われます。これを固定するというのが、作業の中心です。
用意するもの
1)プラスドライバー…外板を外す。
2)ピンセット…ピックアップレンズを取り付ける/外す。
3)接着剤…ピックアップレンズを固定する。
4)つまようじ…接着剤をピックアップレンズにつける。
以上です。はい、これだけです。ハンダごてとか使いません。ここがポイントです。だから素人でも対処できたということです。ちなみに接着剤はスティックのり(専門家やオーディオマニアからは怒られそうですが)を使いました。
いよいよ作業に入ります
1)外板を外す…これは説明不要でしょう。
2)スタビライザーを外す…ピックアップレンズのつけ外しをしやすいように、スタビライザーを外します。
右側(A)の部分から慎重に軸を外します。器具を使わず、手だけで十分に外せます。 次に、左側(B)の軸を外します。この順番がわりと重要で、外す時も、取り付ける時も、「右側」(本体正面に近い側)を先、左側を後にするとうまくいきやすいです。なお、スタビライザーは、磁石で下側とくっついてます。ここもほんの少しの力で外せます。
この写真には、ピックアップレンズは写っていません。
ピックアップレンズはこれです。
向きは上下があります。うまくハマる形があるので、すぐにわかるはずです。次に、このレンズに接着剤を付けます。もちろん、レンズの中心部分には、絶対に付けてはいけません。レンズの外周部で、ピックアップ部の受け側と接しそうな部分に、つまようじを使って接着剤を塗ります。余った部分は、別のつまようじ(何も塗布されていないもの)を使い、可能な限り取り除きます。あとは、それをピックアップ部の受け側につけるだけ。ただし、受け側は上下する機構なので、レンズは優しく置き、上から気持ち押さえるだけ。間違っても上から力を込めてはいけません。ピンセット等で、すこしツンツンし、動かないようであれば、ひとまず固定されたと判断してよいでしょう。
外板を付け直す前に、ここで電源コードを接続。CDを実際に入れてみます。
読めました! さて、この方法で試された方は、どうだったでしょうか。ここでうまくいかないのなら…。すみません。残念ながら、これ以上のアドバイスはできません。
これで3台が動くようになりました
このような対処方法、どれくらい通用するものかはわかりませんが、私としてはそれなりに有効な場合が多いのではないかと思っています。というのも、実はこの方法で、所有するPD-P700のうち、最初からピックアップレンズが無いものを除けば、3台が動くようになったのです! これは、かなりの高確率だと思います。
どのくらい「使えているか」というと…
さて、それで一番の問題は、それで実際、どれくらい聴けているのか。良い点、悪い点を含め、列挙します。先に問題点を挙げましょう。
[問題点]
1)音飛びが、時々発生します。…これは残念ながら、やはり正直に告白しなければなりません。ネットの情報をもとにいろいろ試しましたが、根治せず。ただ、使っているうちに、心なしか音飛びの頻度も低くなっていくような気が…。あくまで気がする、という程度ですが。
2)ディスクによって、シャリシャリと、どこかが擦れているような音がします。これは、復活させた3台のうちの1台特有の症状。ディスク自体の微妙な厚さの違いか、表面(レーベル)の加工の違いか…。
[良い点]
1)ディスクが読み込まれ、音が出ているという、そのこと自体の喜び、あるいは満足。まあ、どう考えても自己満足ですな。
2)音飛びさえしなければ、さすがに再生される音そのものは良い。カセットと違い、CDなんだから当たり前ではないかといわれそうですが、やはり音の良さは間違いないと思います。外部接続やチューナーと比して、全く遜色はありません。もしかしてそれ以上かも。ただ、これは、私の機材がたまたまそうであっただけで、CDプレーヤーの出力部分に不具合がある場合もあるでしょう。そうしてみると、私の場合は、たまたま3台とも程度が良かった、ということになるでしょうか。
ちなみに、製造記号は
2台がKB-で始まるもの、もう1台がKD-。音飛びが多いのはKD-。ディスクによってシャリシャリ音がするのが、2台のKB-のうちの1つ。もう1台のKB機が、最も不都合が少ない印象です。
ちなみに製造記号(番号)は、コンディションの判断にはあまり参考にならないと思っています。というのも、手持ちの機材についていえば、実はそれぞれ修理歴があります(本体にそれを示すシールが貼られています)。なので、単純に古い・新しいは言えないなと。このことはオークションで品定めする際にも参考になるかと思います。
※追記です
ピックアップレンズは作業前に一度、洗浄しよく乾かすことをお勧めします。上記のうちの1台の音飛びが激しかったので、ピックアップレンズを付け直そうとしたら、今度は全く動かず。それを一度、台所用洗剤で洗い、乾かしたあとに取り付けたら、無事に読みこみました。さらには音飛びもどうやら解消した模様。原因はやはり適当な接着剤(スティックのり)の塗布のようです。接着剤は最小限にするのがよいようです。