SELFIE S5 の部屋

パイオニアのミニミニコンポ・SELFIE S5 についていろいろ書いてます

SELFIE S5の広告を見つけた!(その4)

今回も、ほぼS3の話が中心です

1990年、発売当時のSELFIE S5の広告。4回目の今日で終わります(過去記事は)。右側ページの中ほどにある商品写真について説明します。

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 まず、上にS5の写真。下にS3S5の写真は、当時のほぼ全ての広告や雑誌記事で見られるスタイルです。左側スピーカーがタテ置きで、スピーカーネットを外した状態。スピーカーの下には台座。本体はヨコ基調の2分割で、左側が上からCD、カセットの順。右側がアンプ、イコライザー、チューナーの順。その隣にヨコ置きでスピーカー。スピーカーネット、台座ともにあり。右端にリモコン。ちなみに、この「スピーカーを左右でタテ・ヨコ別の置き方をする」「本体をヨコ基調で並べ、ヨコ置きスピーカーと高さが合うことを示す」というスタイルは、当時の他社のミニミニコンポの広告でも数多く見られ、「定番」といってもいいほどの置き方です。

 

写真の上にいくつかの文字情報。以下に引用します。引用の仕方は過去記事と同じ。

 

S5 X-S5:標準価格128,000円(税別/アンプ、サウンドイメージコントローラー、チューナー、CDプレーヤー、デッキ、スピーカーシステムの一体価格/リモコン、スピーカーベース付属)

 

引用は以上。はなはだ不格好ですが、なるべく広告の雰囲気を再現したくて。色なんぞもつけてみました。ここで明らかになったこと。それはスピーカーの台座の名前。「スピーカーベース」っていうんだ! たしかに「スタンド」では高さ的に違和感がある。ベース。なるほどです。まさに台座そのものです。過去の自分の記事を見ると…スタンドと表記していますね。間違いでした。が、それも(ブログ作者の)成長の軌跡として、そのままにしておきましょう。

 

S3の姿を伝えたい

さて、お次はS3。まずは写真の説明。スピーカーは左右ともヨコ置きで、スピーカーベース(結構な高さがあるようですが、これもはっきりベースと表記されています)の上に置かれています。右端にリモコン。

 

この写真についてはもう少しコメントを。S5との違いがここでも確認できます。まずは何といっても色。S5が黒であるのに対して、S3がグレー基調であることがはっきりとわかります。もう一つの違いは、表面の質感。S3は、触った感じが少しざらっとするようなスウェード調(?)であろうことが、写真からも十分に類推されます(前回紹介した『特選街』1990年5月号p.100のレポート記事にも「グレーのスエード調仕上げ」と明記)。

 

次に、写真の上の文字情報。引用します。

 

S3 X-S3:標準価格89,800円(税別/CDデッキレシーバー、スピーカーシステムの一体価格/リモコン付属)

*スピーカーベースCP-P500(オプション)標準価格4,500円(税別2台1組)

 

引用終わり。S5と異なり、システム一体型が特徴であるS3の本体は、「CDデッキレシーバー」というのですね。CDとカセットとチューナー、ということでしょう。そして、この情報から判明すること。1つは、スピーカーベースがオプションということ。さて、いったい当時、どれだけの人がこれをオプション購入したか…気になりますね。2台1組とはいえ、4,500円は本体価格の約5%。う~ん、これを高いとみるか安いとみるか。あるいは、こういうものは本当はもっと安かったり、もしかしたらタダでつけてもらえたりしたのでしょうか? いろいろと想像してしまいます。

 

もう一つ判明したのは、このスピーカーベースの型番。CP-P500。CPはパイオニアのスピーカースタンドに与えられる符号ですね。今、ざっと検索しましたが、それでヒットするものは確認できませんでした。現在では、まず単体では流通していないのでしょう。果たしてここに記した情報が、誰かの役に立つのか…。

 

ということで、書ける範囲でS3の情報も載せてみました。小見出しが「姿を伝えたい」なんていいながら、はっきりとわかる写真1枚もなくてすみません。今思えば、非常に地味なS3。他の記事でも書きましたが、その地味なS3の後継機であるS30が、約1年後にミニミニコンポ市場を席巻するのだから、世の中わからないものです。そのS30が市場に与えたインパクトについても、当時の様子がよくわかる文字資料を手に入れたので、機会があればまたお伝えしたいところです。