SELFIE S5の広告を見つけた!(その3)
おもに「S3」のお話です
前回・前々回と、2回お送りしたSELFIE S5の広告の話題、3回目です。右側ページ中程の文章部分。前回紹介したS5の記述に続いて、同時発売モデルのS3について記述されています。まずは引用します。引用の仕方は前回と同じです。
【S3】本体幅300×高さ255×奥行246mm。ベッドで音楽が楽しめるピロー&サラウンド回路。気分に合わせて音の表情を変えるサウンドキャラクター。P.BASS搭載。40W+40Wのハイパワー。ワンタッチでいつもの聴き方を再現するAIオペレーションキー。セットが簡単なAIアメニティタイマー。多彩なCD編集機能A.S.E.S.装備。(リモコン付属)
引用終わり。最後の「(リモコン付属)」は割注(小さく2行で表示)になっています。さて、ここからまたいくらかコメントを付けさせていただきましょう。あ、その前に、手前味噌で恐縮ですが、おそらくこの記事は、現時点でおそらくネット上で最も詳しい(そして唯一?)「SELFIE S3」に関する記述だと思います。
広告からS5とS3の関係がよく見える
まずはっきりと見て取れるのは、広告上のS5とS3の扱いの違い。S5が主でS3が従の関係です。今さら指摘するほどではないと思われそうですが、この広告が出てから1年後、ミニミニコンポでは、このS3の後継であるS30が、他のSELFIEや他社製品を圧して売れまくっていたという点を考えると、いちおう確認する意味はあるかと。
もう一つわかるのは、性格の違いというか、製品としてのねらいの違い。S3は、S5のただの機能省略版ではない、ということがうかがえます。以前の記事でS30について私がよくわからないと書いた「AIオペレーション」機能。S3からすでにあったんですね。しかも、S5にはない独自機能。ただ、広告からわかるのは、機能の有無だけ。一体どういうものなんでしょう…と、ここでも情報を出し惜しみするのは止めましょう。はい、この広告掲載誌とともに、他の雑誌記事情報についても入手済みなんです。
『特選街』(マキノ出版)1990年5月号「大人気[ニューコンポ] いま最もトレンディなこの1台を選ぶ」(p.100)から引用します。筆者は「堀内 篤」(ほりうち あつし)氏。
操作性においては、AI(人工知能)オペレーションが際立つ。電源ON、ファンクション設定、音質調整、音量調節などの操作を二とおり記憶でき、リモコンで素早く呼び出せる。
引用は以上です(原文は縦書き)。なるほどと思う一方、この説明だけではあまりAIという感じがしません…。リモコンまたは本体のメモリ機能? かと思ってしまいますが、おそらくは誌面では書ききれなかったAI的なものがあるのでしょう。ということで、結果的にやや謎が残ることにはなりました。
もっとセルフィーのことを知ってください。
広告に話を戻します。S3の記述に続いて、補足情報が掲載されています。面白いなと思ったのは、その見出し。「もっとセルフィーのことを知ってください」。う~ん、味があるなあ。住所情報なども含まれますが、できるだけ引用します(一部伏せ字)。それはそれで資料価値があるかと思うのと、おそらくそのことでパイオニアその他関係者様には迷惑をかけないだろうと思うからです。では引用します。
もっとセルフィーのことを知ってください。
●カタログの請求は、郵便番号、住所、氏名、希望製品名、年令、性別、職業、ステレオの有無をご記入の上、〒152東京都目黒郵便局私書箱××号 パイオニアカタログセンター:DIME SF3係へ。●パイオニア・ショールームは、東京・目黒権之助坂「JR目黒駅」下車すぐです。●ドルビーおよび[引用者注:ドルビーマークが表示]は、ドルビー研究所の登録商標です。●あなたが録音したものは個人として楽しむなどのほかは著作権法上権利者に無断で使用できません。 パイオニア株式会社
引用は以上です。実際は、見出しのすぐ右側に「●カタログの請求は…」が始まり、見出しの右側で2行分使用されています。
それで、なぜわざわざこの部分まで引用したかというと、ずばり、今は無き目黒の「パイオニア・ショールーム」。そう、もうありません。間違ってもこの記事を読んで目黒駅で下車されませぬように。パイオニアの本社移転に伴い、2009年12月18日に「パイオニアショールーム/目黒店」は閉店しました(パイオニアのホームページによる)。そういった歴史の変遷を感じられるものも、このブログに記したいな、と思っています。それでは今日はこの辺で。