SELFIE S5をオークションで探す際のポイント
私は2018年初頭、PIONEER SELFIE S5をオークションサイト(ヤフオク)で入手しました。その際の体験を元に、同じ製品を探している方に参考となりそうなことを記します。
名称および類似品について
この製品の正式名称は…実は私もよく理解していません。しかし、一般的には以下のような名称で呼ばれます。オークションで探す際には、これらを検索ワードで使用してみて下さい。
・PIONEER private SELFIE X-S5 ※元箱の画像
・PIONEER private SELFIE S5 ※カタログおよびPIONEERホームページ
・PIONEER SELFIE S5
なお、これとは別に、オークション出品者によっては、「SELFIE」や「S5」を一切用いずに、個別の機材の型番(A-P700など。次項参照)を用いる場合もあります。「最近、なかなか出品がないなあ」と思った場合には、それらの型番で検索してみるのも手かと思います。
また、S5の類似品に「S3」「S50」「S70」などがあります。3や7などの番号違いはすぐわかるとして、「S50」との違いは、チューナー部のジョグダイヤル(くるくる回す部分)の有無です。無いのが「S5」、有るのが「S50」です。 より詳しい見分け方としてはこちら(外見上の違いや機材構成)をご覧下さい。
製品構成
・ステレオアンプ A-P700
・イコライザー GR-P700
・チューナー F-P700
・CDプレーヤー PD-P700
・カセットデッキ CT-700WR
・スピーカー S-P700
・専用スピーカースタンド(裏側に左用・右用と明記)
・リモコン CU-AP015
・アンテナ
さすがに今の時代、これらが全て揃ったものを見つけるのは困難でしょう。私の場合もリモコンとアンテナは付いていませんでした。ただ、それ以外は全てあったので満足しています。私の場合、事実上の「鑑賞用」(ミニコンポ自体を鑑賞する。平たくいえば「置物」)として購入しているので問題ありませんでした。
逆に言えば、一つでも欠けていたら大きなストレスになっていたでしょう。最初にオークションで物色した時もあまりよく把握しておらず、危うく欠品のあるものを買いそうになりました。そこで以下にチェックポイントを示します。
入札する前に、ここをチェック!
一見して違和感はないか?
全部揃っていればスピーカーとシステム(アンプやデッキなど)の高さは同じです。同じでない場合は、何か欠品が必ずあります。具体的には、スピーカースタンドや、システムの一部の機材。あるいは、別のコンポの機材(S5以外)が混入している場合もあるかもしれません。商品説明で機材ごとに型番を明記していたり、写真で確認できる場合があるので、必ずチェックをしましょう。不明な場合は出品者に問い合わせてもいいかもしれません。いずれにせよ、写真で「何か違う」と思った場合は、たいてい何かが足りていません。
スピーカーの有無
スピーカーがなくシステムのみという出品も結構あります。購入の際、システム単品で良しとするかどうかは人によるでしょうが、ともかくスピーカーが含まれているかどうかは、忘れずにチェックしましょう。
スピーカースタンドの有無
これも上記の通りです。スピーカー単品の出品の場合、写真で見た瞬間、あのスタイリッシュさに目を奪われ、スタンドのことを忘れて入札してしまうことがあるかもしれません。もちろん不要という方もいるでしょう。ただ、スピーカースタンド単品の出品はかなり少ないと思われるので、必要な方はくれぐれもお忘れ無く。
動作や機能について
上述のように私の場合は観賞目的ですので、動作については、正直、あまり拘らずに商品を探しました。なので正確さや詳しさに欠けますが、わかる範囲で記します。
互いに接続されなければ、システムが起動しない(CDプレーヤーを除く)
背面に黄や赤のケーブルがありますが、一つでも所定の場所につながっていなければ、メインスイッチ(POWER STANBY/ON)を入れても全く反応しません。逆に言えば、商品説明で「通電確認」とあったり、写真でイコライザー部やチューナー部に何か表示されていれば、(個々の機器が正常に動作するかどうかは別として)少なくともシステムとしては生きていると判断できそうです。ただし、CDプレーヤーはなくても立ち上がります。また、当然ながらスピーカーやアンテナが接続されていなくてもシステム本体は起動します。
CDとカセットデッキは機能しない場合がほとんど
現役時代、おそらく最も高頻度で使用され、しかも可動部分の多い機器です。さすがにこの時代、完動品はないものと覚悟しましょう。ちなみに、CDは読み込みができれば、トラック数など、「1」以上の数字が表示されます。私の場合は通電してもCDを読み込まないので、CDプレーヤーの表示には0だけが並んでいます。なので「0」以外の数字が表示されているものは、少なくともCDの読み込みはできると考えて良いでしょう。ただしそのことは、CDが「正常に聴ける」という保証にはなりません。仮に読み込みができても、音飛びやキー操作の不具合があるかもしれないからです。
チューナーはアンテナが、CDはコンポジットケーブル(赤白の線)が別途必要
チューナー(ラジオ)は、アンテナがないとほぼ機能しません。ただし、アンテナは専用品でなくてもAM用、FM用の汎用品で代用できます。私の場合は動作確認の際、スピーカーケーブルを使い、それである程度聞こえてきました。CDプレーヤーもコンポジットケーブルをアンプ部とつなげる必要があります。ご存じの方がほとんどとは思いましたが、老婆心ながら。
商品説明を丹念に読む
ともかく動作については、商品説明を丹念に読むことが大切です。これを一番最初に掲げるべきでしたね。家電製品の場合、機能や動作については何よりクレームが発生しそうなところですから、出品者(特に取引に慣れた専門業者)もかなり注意深く記載しています。例えば、私の場合は、テープデッキは「再生可」と書いてありました。実際にその通りでしたが、録音は出来ませんでした。しかし「録音不可」とは書いていませんし、そう書く義務も無いわけです。そこは買う側の注意深さが求められるところです。ただ、出品者の記述も正確とは限らず、私の場合もチューナーは動作不可となっていましたが、上述の通りアンテナをつなげば、いちおう聴けました(出品者が知らなかったか、単に確認するのが面倒だったのかも)。
おわりに
いろいろ書きましたが、ともかく動作についての全般的なアドバイスとしては、「動くことを期待しない」。何度も書きますが、20年以上前の製品です。まともに動かなくても、以前の所有者や、販売業者を責められるものではありません。すべては時の流れです。それぞれの個体は、それぞれの場所と時代で、十分に働きました。これからS5を手に入れようとする方の中で、とりわけその製品にかける思いが深い方こそ、「いたわりの心」でその個体を受け入れてほしい、そして優しさに満ちたあなたの部屋で、静かな余生を送らせてあげてほしいと私は願います。